クローン病患者のトイレ事情
前回のあらすじ
病気のコントロールについて書いた。
今回はトイレについて書きたい。
クローン病になってから水様便、泥状便が多くなった。
その為に閉め切れずに恥ずかしながら粗相をしてしまう事がある。
体験した事がある人ならばわかると思うが、気分がかなりへこむ。
大の大人として許される事ではない。
下着を洗ったり、身体を洗っている時に情けなくて涙が出そうになる。
まだ、家の中でやらかしてしまうのはすぐに対処が出来るが、外出時にやらかしたらなすすべが無く、泣きながら急いで家に帰らなくてはならない。
だから、自分は「もう出ない」と確信するまでは外出を控える。
それでもどうしても確信を持てないまま外出をしなければならない時がある。
そんな時はどうするか?
トイレのある場所を把握しておけば安心出来る。
もう1つ、自分が我慢出来る時間がどれくらいあるのかも把握しておかなければならない。
トイレの位置は不変的だが、トイレを我慢出来る時間は流動的でその日の体調による。全く我慢出来ない時もあれば、30分位我慢出来る時もある。
ここまでトイレを意識した生活を過ごしているのにも関わらず、事件はやって来るのである。
先日、外出先から自宅に戻る途中に我慢出来ない物が襲ってきた。
条件は下記のよう。
外出先から自宅までは時間にして25分。
襲ってきた時にいた場所は自宅まで15分。
自宅に行くよりも外出先に戻る方が早いが怪訝そうな顔をされる可能性がある。
道をそれればコンビニはある。
コンビニまでの時間は約7分。
コンビニのトイレが空いているかは行かないとわからない。
選択肢は3つ、いや、4つ、5つにする事も出来る。
- 自宅に戻る
- 外出先に戻る
- コンビニに向かう
- 野グソをする
- 車中でする
4と5を選択するほど追い込まれてはいなかったのとプライドがあるので却下。
2の外出先に戻るは今後の接触もあり恥ずかしいので却下。
3のコンビニは一番早くトイレにありつける可能性もあるが、仮に空いていなかったらアウトになる。まず、絶望感で4又は5に変更する気力も無いだろう。
よって、時間は一番掛かるが確実な1の自宅に戻るを選択した。
目的地は決めた。
あとは時間との勝負である。
こんな時に限って、丁寧に全ての信号に引っ掛かる。
おまけに前の車が交通ルールを守ってる。
法律は守らなければならないし、守ってる人に怒りをぶつける訳にもいかない。
変な汗が出てきた。
破裂しそうだ。
命辛々で自宅に着いた。
段差が辛い。
ベルトが外れない。
便座に座るは否や大放出。
間に合った。
勝った。
落ち着いてから考えた。
「こんなに我慢出来なかったっけ?」
いや、以前は我慢強かった。
そう、クローン病になってから我慢する事無くトイレに行くようになった為に甘えた生活に慣れてしまったのである。
人間、鍛えて強くなるには一朝一夕と言うわけには行かずに日々の積み重ねで無し得るものだ。
しかし、弱くなるのは他愛もない。すぐに堕落する。
無理だ無理だと甘える前に昨日よりちょっと過酷な場所に自分をおいて見ませんか?
自力を高めるのは貯蓄と同じ。
今日は必要無いかも知れないが、明日必要かもよ?
次のテーマとタイトルは未定・・・次回に続く