クローン病患者の母とお別れしてから(姉・その他編)
前回のあらすじ
母とお別れしてからの父と兄の言動をまとめてみた。
今回は姉と書き忘れた事などがあったら書いていきたい。
1.姉の事
亡くなったと連絡を受けてから火葬までの事は書いたので割愛しますが、全ての事が合わないと思ってる。
葬儀関係が終わって自宅に帰ってから兄同様に電話やメールがたくさん来た。
最初の電話の時に「普通に話せて良かった。自分が学生の時に力になれなかった事を説明させて貰いたい。」等と言ってきた。
自分からすると学生時代の話はあまり振り返りたくないので嫌な気持ちで聞いていた。
「姉自身も若くて金銭的に余裕が無かった。だから、玉の輿に乗る事だけを考えていた。家にかかわる事も嫌で逃げていた。」
こちらからするとそんな話を聞かされても黙って聞いていたけど「はぁ?」って感じです。
本来であれば学生時代ってのはたいていの人は「戻りたい」って思うみたいですが、自分は戻りたいと思った事は一度も無い。
逆に就職して一番最初に思ったのは「会社に守られるってのはこんなに楽なんだ」でした。
期始めは教科書を買わなければならないので金欠で電気やガスが止められて体を洗うのは水シャワーでした。
米は貰えたけど電気が無いからご飯は炊けない。
ご飯を炊いた日もおかずが無くて「塩ご飯」を食べた日もありました。
そんな思いをしていたのに姉の言葉はイライラします。
でも、言わなかったですけどね。
それで姉は何を言いたかったのかと言うと葬儀前後の父の姿を見て自分が守らなければならないと感じたらしい。
それで、父を呼ぶから父を自分の家に住まわせて欲しいとの事らしい。
おかしく無いですか?
父の世話をみたいと言うのは立派です。
でも、その拠点を自分の家にすると言うのはどういう事でしょうかね?神経を疑います。
近くに住んでいるのであればまだ話はわかります。
姉と自分の家は電車で一時間半はかかります。
それでどうやって面倒を見ると言うのでしょうか?
疑問があったので投げ掛けました。
①父も高齢で病院通いになったらどうするのか?
②兄に了解得られるのか?
③父と一緒に住める場所を確保する気は無いのか?
姉の回答はどれも耳を疑う様な物ばかりでした。
①父は亡くなる時は誰にも迷惑かけずに亡くなるので病院通いはしない→どこからその根拠の無い自信が沸いて来るのか不思議。人の面倒を見ると言うことを甘く見ている。
②父がこちらに遊びに来たらボケたと言う→嘘でも病名を与えてはならないと考える。だいたい、そんな事になったら自分が責められる様な話で到底、受け入れられない。
③母がいる時から来たら一緒に住める場所に移る気でいたが叶わなかった。→自分は来るかわからない親が来れる様に家を買ったし、兄の所が嫌だったらいつでも逃げる場所があるから安心するようにも話していた。
姉は自分が二つ返事でOKを出すと思ったのであろうか?
戸惑っているように感じた。
そもそも、父はずっと以前から自分と暮らしたいと言っていた話である。
これで姉が話したから父が来たと思われたら心外である。
後はお金の話ばかりでうんざりする。
さすがに父の棲みかについては兄には話せないので姉がお金の話ばかりでうざいと話している。
その後は姉からの連絡は無い。
2.落ち着いて思う事
母が亡くなってから1ヶ月以上の日時が過ぎ、自分にも変化が起きた。
母が亡くなってから自分には霊的な物は感じなくなりました。
母が失わせてくれたのかな?
生活が静かになりました。
以前、母に「死ぬ時はクローン病を持って行ってね」お願いしていました。
しかし残念ながら病状は逆でクローン病が活発になってます。
そのせいで気が弱くなったのもありますが母に話し掛ける時に「病気を持っていけないなら自分もそちらに連れて行って貰えないかな?」と毎日お願いしてました。
そしたら母が夢に出てきました。
夢の中で母が言います。「いやー、焼かれる直前で目が覚めて良かったよー」って。車に友人の亡くなったお母さんも同乗していたのですが、下車して電話で同じような話をしていました。
それを見ていておかしいと思ったら目が覚めました。
何のメッセージかわかりませんが不思議な夢でした。
それから夢での母の言葉を何度も思い返していたら
「自分は母が亡くなった姿を見て諦めていたのではないか?」
「諦めないが自分の信条だったのではないか?」
「自分が一所懸命に母に呼び掛けたら戻って来たのではないか?」
とか考えたりしました。
それからさらに暫くして「人の為に行動を起こすのは何の為なのだろうか?」と思うようになりました。
「母に世話になった。」と言う声を聞きます。
それは嬉しい事なのですが、そのせいで心身に疲労をきたしていたら?と考えるとやりきれない。
世話になったと言ってくれた人は何をしてくれたのか?
母の援助をしてくれたのか?
いや、してくれていない。
母も望まなかったのであろう。
母が亡くなると言う事はどういう事なのだろうか?
自分は金銭的援助は受けていない。
自分からは電話をあまりしていなかった。
両親に逢うのは年に1度や2度で来るたび、帰るたびにあと何回逢えるのかな?と思っていた。
今生の別れかもと思いながら接してしたので出来る限りの事はしてきたつもりである。
そうなると最近はしてあげてもして貰う事は無いので、母がいなくなっても自分の生活に困る事は何一つ無い。
でも、寂しいし、話がしたいし、逢いたいと思う。
当たり前が当たり前で無くなると欲求が出てくるのであろうか?
もっと冷めた言い方をすると母がいないと思う事が寂しいのでは無いだろうか?
それと「若いうちの過ちはやり直せる」と良く聞くが自分はいつも疑問を感じる。
人生においてやり直しがきくと言うのは違う。失敗して傷付けたりして失った人とは対象を別の人に付け替えただけに過ぎなくやり直しが出来たとは言えない。
物もそうである。ボタンの着け間違い程度であれば良いが破損したり破壊したりで直したり、買い換えたりするとお金が必要になる。
失敗しなければ不要の出費であるので単純なやり直しとは言えない。
なぜこの話になるかと言うと、
以前、自分には配偶者がいたがガンになった。
最初の頃は全力でサポートした・・・つもり。
でも、自分も疲れるんですよ。
病院に連れて行ったり、必要な物を買ったりと時間とお金が際限なく失っていく。
お金の為に休まず仕事に行き、病院の為に割いた時間を残業して取り返して疲れました。
そんな時、どこかの市長さんか議員さんだったと記憶してますが、「妻の看病に集中するために辞職します」とニュースで見た。
美談に扱っていました。
でも自分は「はぁ?こっちはギリギリで生活してるから仕事を辞めたくても辞められない。ふざけるな。美談でも何でもない、当然の事」って思いましたね。
疲れると人はイライラするんですよ。
ちょっとした要望でも面倒に感じたりしました。
当然、威嚇などはしなかったが態度には出ていたかも知れないです。
で、自分が病気になってわかったんです。
「あの時、あいつはこんな気持ちだったんだ。叶えてあげれば良かった」とかふとした瞬間にいろいろ思い出すのです。
それがずっと苦しかった。トラウマなのかフラッシュバックなのかわかりませんが苦しかった。
過ぎた時間は戻らずにやり直せない。
それで母にはちょっとした一言を聞き逃さずに望みを叶える様にしました。
そのお陰か、亡くなった後もあれしてあげたかった、これしてあげれば良かったが無い。
それどころか、その配偶者に抱いていた後悔の気持ちも全く無くなりました。
母がその気持ちを持っていってくれたのかな?
いろいろ書いて来ましたが、自分が一番変わった事があります。
それは人に対しての思いです。
今まで自分は「人の喜ぶ顔が見たい」「人の役にたちたい」など自己犠牲をする事が普通だったのです。
ですが、母が亡くなってからいろいろ考える中で、徳を積むと死んでから良い位に行けるとか聞いたけど本当なの?って思うようになったのです。
だいたい、死後の世界の事を何故わかるの?
悪人は死後の世界で苦労するってのは本当なの?
正確な事は知らないですよね?
仮に知っていたとしても断片的で全部は知らないですよね?
その様に考えたら人の役にたつのは何の意味があるのかな?
人を喜ばすだけ?
自己満足?
それである考えにたどり着きました。
「人が苦しむ姿は見たくないから自己犠牲にならない程度で人の役にたつ」
ゆくゆくは
「人の役にはたたずに人に迷惑をかけない」
をモットーに生きた方が良いのでは無いだろうか?
そう言えば母に「自分は命を削って生きている」と言われた事があります。
その時に「これが自分の生き方でこれをしなければ自分で無くなる」と言いました。
母はわかっていたんですね?
あと冷たい言い方をすると人は死んだら終わりです。
歴史書に乗るような人なら生き方を考えなくてはならないですけど、たぶん、自分はその様な人にはなれないでしょうし、子供もいないので後世に語り継がれる事は無いと思います。
自分を思ってくれる人がいたとしても自分の死後数年でしょう。
いや、逆に自分が最後かもしれない。
そうなると何の為に人の役にたつ生き方をするのでしょう?
これからは自分も大事に生きていこうと思います。
とは、言ったもののなかなか変えられないのでしょうけど。
それともう一つ。
死ぬのが怖く無くなりました。
ただ、痛いのとか苦しいのは嫌だなとは思います。
長々とまた書いてしまいました。
今回でとりあえず、母への思いや自分の心境の変化等はおしまいにします。
お付き合い頂きありがとうございました。
次回からはまた、クローン病について書いていきたいと思います。
次のテーマとタイトルはエンタイビオ6回目・・・次回に続く。