クローン病患者の母の告別式
前回のあらすじ
母の納棺からお通夜とその夜の事を書いた。
今回は告別式の事を書きたい。
母の葬儀に関して気になる事があった。
仏教ではあるのだけど宗派は?
兄に確認したら義姉の実家が曹洞宗との事でそれに習ったらしい。
そうなんだ?
父が三男坊で本家から外れているし、本家も無くなっているので宗派は選択の自由。
だったらなおさら・・・、母は真言宗でしょうが。
まぁ、菩提寺は近く付き合いのある方が良いだろうし決まった事なのでとやかく言うつもりは無いが、たった一言だけ言わせて貰った。
「お母さんは真言宗だよ」
父・兄・姉みんな黙ってた。
後から姉が「おかしいと思ったんだよ」と言ってきた。
心の中で(お前、葬儀屋との打合せに出てたって言ってたよね?)と思いながら無視した。
告別式の前に遺影の小さいのを貰えないか聞いたら4,000円で準備出来るとの事。
高いと思いながらもお願いした。
お別れの言葉を言うタイミングと動線を打ち合わせた。
告別式が始まった。
お坊さんが読経しながら入場して席に着いた。
しばらくするとリンに合わせるように左後ろの天井から「バリバリバリバリー」って物凄い音がした。
なんだろう?って言うくらいでビックリしたけど誰も無反応。
あれっ?自分だけ?
と思いながらやり過ごした。
するとまた、リンに合わせるように「バリバリバリバリー」ってしました。
そんなのが合計3回ありました。
挨拶して線香をあげて挨拶して。
そろそろ告別式も終わりに近付いています。
そろそろ自分の母へのお別れの言葉の時間が近付いて来ました。
何故か緊張はしてません。
今でこそ、人前で話す事は少なくなりましたが昔はお偉いさんを前にプレゼンとかしていたのでスイッチを切り替えれば平気です。
いつの間にか仕事モードになっていました。
原稿作りの時はわんわん泣いて、暗記しようと読み上げたら途中で読めなくなるほど泣いたのに全く泣かなかった。
終わってから義姉から「かっこ良かったよ」と誉められるほどでした。
父も泣いていました。
父は母の為に頑張ってたもんね?
母の為に生きてきたようなもんだよね?
以前、母が入院していた時に父に「疲れてないか?体大丈夫か?」と聞いたときに父は「俺は子供達の事も家の事も全てお母さんに任せっきりで何もやってこなかった。だから、最後の奉仕でお母さんの事を支える」って言ってたね?
お父さん、かっこいいよ。
告別式も無事に終えた。
次は母の火葬・・・次回に続く