クローン病患者の母のお通夜
しばらく更新していませんでした。
物凄く体調も悪かったし、恥ずかしながら精神的にも参っていました。
でも、精神的には落ち着いてきたのでまた再開したいと思いますのでよろしくお願いします。
前回のあらすじ
母が亡くなり、500kmの移動して母へ逢いに行ったが葬儀屋が開いておらず逢えなかったと言うことを書いた。
本来ならクローン病に関する事を書くことを目的とした場所ですが、
今回から母への追悼の為にこの場所をしばらくお借りしますがご了承頂きたい。
兄の家に着いて布団を用意されたが、マスクを外す事も出来ないし、母の事が気掛かりで一睡も出来ずに朝を迎えた。
朝食を用意されたが固形物を入れるのは危険なので遠慮した。
朝の薬だけ服用しあとは飲まない事にした。
と言うか朝の薬以外は全ての薬と飲食を断った。
葬儀屋は朝9時に開くので待っていたら父が銀行に行くと言い出した。
兄が自分に連れて行って欲しいと言うので先に銀行に行くことになった。
この時、兄と姉の父への言い方がキツイと感じた。
そうしたら今度は市役所の中の銀行に行ってくれとの追加注文。
なんでだろう?と思いながら父と市役所に到着。
父に「何か貰って行くのか?」と聞いたら無いと言う。
そんなはずは無いと何度も聞いた。けど、無いと言う。
そんなはずは無いと思ったのでとりあえず、母が亡くなった事による届けを聞いた。
でも、しっくり来ないので仕方無いので姉に電話して確認したら父にメモを渡してあるとの事。
自分に言えよと思った。
90の声が聞こえてる父にあれこれ言ったって忘れるでしょうが。
姉にどこにいるのか聞いたら葬儀屋との事。
はぁ?って感じですよ。自分だけまだ母に逢っていないのに、お前昨日逢ってるんだろうがって言いたかったけど、父がいたので我慢した。
そんなこんなで2時間経ち、母に逢えたのは11時を回った頃。
やっと逢えた。
まるで寝ているかのように綺麗な顔をしていた。
いっぱいいっぱい母の頭と頬を撫でた。
こんなに自分から母に触れたのは何十年ぶりだろうか?
「お母さん、起きて、起きて」と何度も何度も頬を叩いた。
自分の中で認めたく無かったのかな?
人もいたので涙は出なかった。
14時30分から納棺の予定で一緒に入れたい物を用意するようにスタッフから言われたので父と自分が取りに行った。
自分が買ってあげたスウェットやソックス、お気に入りの帽子や食べ物を持って行った。
それと「自分の悲しい気持ち」
この時、火葬で母と一緒に「自分の悲しい気持ち」を燃やす事を誓った。
14時30分になり母の友人が来てくれるのか来ないのかそれすらわからない状態で連絡先がわからない。
母の携帯電話を父が持っていたので見ると友人の携帯番号があった。
その時、兄の呆れたような顔が忘れられない。
父だって普段、使っていないのだからわからないだろうに。
だいたい、何故、兄自身が確認しないのだ?と思ったが場所が場所だけに我慢した。
とりあえず、友人は来てくれるが納棺には間に合わない。
残念だ。
母とは70年以上の付き合い。
母からすれば誰よりも送って貰いたい人だっただろう。
納棺が始まった。
浴衣から白い旅支度に着替えた。
最後浄めてからと脱脂綿を渡された。
自分は手を拭いてあげた。
いや、正確には拭いてあげようとした。
手を握ったら涙が止まらない。
口を開けたら嗚咽になってしまう。
寂しくて寂しくて悲しくて悲しくて辛い。
化粧をして貰って最後に「女性の方で口紅を塗ってくださる方はいませんか?」と言ってたのに誰も手をあげない。
えっ?姉は?なんでしないの?
こいつはダメだなと思った。
母は式場に移された。
遺影と戒名も飾られた。
そうしたら母の友人とその娘さんが到着した。
挨拶もそこそこに母の所へ案内した。
一緒に泣いてしまった。
そして、友人から不思議な言葉が発せられた。
友「間に合って良かったね?最後看取れたのでしょ?」
自「えっ?何が?」
友「最初から一緒にクリスマスを過ごす予定だったのでしょ?」
自「えっ?」
友「1ヶ月位前だったかな?自分と姉が12/25に来てくれる事になったって喜んでたよ」
自「えっ?」
友娘「ずいぶん早く休み取れたんだなぁって思っていたんですよ」
自「そんな約束した事無いし、そんなに休めない」
自「えっ?それって、12/24に死ぬって分かってたってこと?」
友娘「あっ、そう言うこと?」
自「だって、24日は病院に行くまで普通だったらしいよ」
自「自分で分かってたんだ・・・」
母には不思議な力があり、昔は人の事を見てあげていました。
僧侶の修行もしていました。
教えてくれれば良かったのに。
22日も電話したのに。
一言も言わなかった。
死は避けられなかったかもしれないけど、その後どうして欲しいか聞けたのに。
お通夜が始まった。
あーだんだんと母との別れが近付いて来る。
お通夜は無事に終えた。
親戚と話をしていたら兄に呼ばれた。
明日の告別式にお別れの言葉をやって貰いたいとのこと。
姉は?と聞いたらやらないとの事。
なんで?
最後なのに?
こいつはダメだなと更に思った。
そして自分はぜひ、やらせて貰いたい。と返答した。
自分は葬儀屋に母と二人で泊まる事にした。
母の友人とその娘さんをホテルまで送って行った。
正直、土地勘が無いので迷った。
なんとかホテルに到着して、たぶん眠れないので母に逢いたくなったら電話してください。すぐに迎えに来ますからと言って別れた。
遠慮したのか連絡は無かった。
自分は葬儀屋に戻り、母へのお別れの言葉の原稿を考えた。
その間、何十回と母の顔を見た。
「お母さん、早く起きないと焼かれちゃうよ」
とも何度も声を掛けた。
線香も切らさずに守った。
たまに動いた感じはしたけど気のせいなんだよね?
ゾンビでも良いからよみがえって貰いたかった。
お母さん、幼い頃教えてくれたよね?
男の子が泣いて良いのは親が死んだ時だけだって。
だから、今日は泣いて良いんだよね?
母には色々と教えてもらったよね?
今聞きたい事があるんだけどもう聞けないんだよね?
そんなこんなで原稿を書き終えた。
でも、ちょっとオカルト的な話になりますが、
葬儀屋は何か強力な力で守られてるのかな?
母も他の人の気配も感じない。
それとも母が守ってくれてるのかな?
こんな広い所にいるのにちっとも怖く感じない。
朝6時30分頃家族が来た。
あっ、もう48時間以上起きてる。
不思議と眠くない。
次は母の告別式・・・次回に続く