クローン病患者が見た適応障害者
前回のあらすじ
リンパ腫のドキュメントを見て結果にショックを受けた事を書いた。
今回は以前、会社の仲間が適応障害と診断された経過を書きたい。
適応障害とは精神的な病の一つです。
置かれている環境がその人にとっ辛い環境で心身に支障をきたす病気です。
自分の見た適応障碍者も同じように「なんで?」と思うような感じでした。
その人は20年以上勤めたベテランと言って良い程の人でした。
それが突然、適応障害となったのです。
自分の職場の一つは一人で担当設備を2台程度担当する場合と複数人で複数台担当する場合があります。
その人は複数人で複数台担当する所に従事していました。
それが組織編制があり、一人で2台担当するようになったのです。
そこから様子が変わりました。
最初の内は「なんでも一人でしなければならないから大変だよ」と軽く言っていたので「ベテランなんだからすぐに環境に慣れるだろう」と答えたりしていました。
それがある日突然、「辛い」と言ってきたのです。
「今の体制は会社の方針であるから元の場所に戻すのは難しいし、それに今おかれている環境は特別な事でもない。」と言いました。
本人もそれは分かると言っていました。
そんな会話を毎日していました。
正直、そのような会話に付き合っているこっちも精神的にやられそうでした。
しかし、邪険にも扱えないので話を聞いていました。
そんな日々を過ごしていると、目に涙を浮かべる様になってきたのです。
異動したいと言ってきたのです。
その時は何が辛いのか聞くと「一人で考えて、一人で作業をこなし、一人で責任を負わなければならないのが辛い」と言うのです。
「それはお前が今まで楽をしていたと言う事になる」と言いました。
それでも毎日、異動したいと言ってきました。
それじゃと言う事で複数人で複数台担当する所へ担当変更しました。
しかし、そこに行くと「人と作業するのが辛い」と言ってきたのです。
困りました。
一人でもダメ、複数人でもダメとなるとどうしたら良いのでしょうか?
完全に部署を変更するのが良いのでしょうが、自分の会社がそれ程部署があるわけではないのです。
そんな事で1週間くらい経った頃でしょうかその人が電話を代わってくれと電話を差し出して来たのです。
電話を代わるとその人の母親からでした。
「息子がおかしくなったら責任とれるのか?」と言う内容でした。
責任を取れるかと聞かれたら取れないので部署を異動する事にしました。
その代わり、完全に一人作業になるが平気か訊いたら平気だと答えるので異動させました。
その部署は単純作業なのでそれ程考えなくても良いはずなんです。
それなのに、毎日泣き言を言ってきます。
本人にどんな感じなのか聞きました。
・話が理解出来ない
・考える事が出来ない
・ちょっと変化があると対応が出来ない
・声を掛けられるのが辛い
・知らないうちに涙が出る
・常に不安な気持ちになる
等などでした。
そんなに煽られる仕事でも無いからゆっくりとやって良いと言っていました。
正直な所、その部署はシルバーをパートで雇って従事させる部署なんです。
なのでこれ以上作業が楽な部署は無いのです。
それでも毎日毎日、話をしてきます。
そして、とうとう、本人も耐えられなくなったのか診断書を持ってきて1か月休ませて欲しいと言ってきたので、了承しました。
その1か月が昨日でした。
そして電話で「治らないので辞める」と言ってきました。
これ以上止める事も出来ないので了承しました。
精神的な病気は周りからは気付き辛い病気です。
この周りの評価と本人のダメージに乖離が大きくあります。
元気な人は「これぐらい」なのですが、本人は「こんなに」になってしまっています。
環境を変えると治る事もあると言いますが、現実問題、完全に部署を変えられるのは大手に限られます。
中小だと難しい。
仕事が変わったとしても目に入る環境はそれ程変わらないのです。
人も接点は無くても目には入ります。
それで環境を変えるとなると会社を辞めるのが一番良いと言う安直な答えにたどり着きます。
自分が一番危惧しているのは「ダメ人間」「負け組」と思い込む事です。
そうなると社会復帰自体が厳しくなるのではないだろうか?
正直な所、自分も今の会社では悔しい思いをさせられています。
とても屈辱的に感じています。
それでも今は辞めません。
自分は今の会社でクローン病になる前の仕事をこなせるようになってから辞めようと考えます。
例え、今、転職しても精神的に負い目を感じると思うんです。
そんな気持ちでは成功なんてするはずがない。
申し訳いないけど、今の会社はリハビリ程度に考える様にしています。
そうしないとこの屈辱にも耐えられないですからね。
転職するのが悪いとは言いません。
しかし逃げる様に辞めたら後に続きません。
発展的に建設的に転職するのは賛成です。
辞めるのはいつでも出来ます。
その辞表は本当に出して、後悔はありませんか?
次のテーマとタイトルは未定・・・次回に続く