クローン病患者の猫の火葬
前回のあらすじ
自分が短期間に2つの死に直面したのでその事について書いた。
今回は猫の火葬について書きたい。
今回もクローン病とは関係無いですがもう少し弔いにお付き合い下さい。
前々回日程が合わず猫の亡くなった日から翌々日に火葬をすることになったと書いた。
予約時間が朝イチの9:00なので自宅から空いていても40分掛かる距離の為、道の混雑を考えて7:30に出発した。
いつもならこの時間はトイレで格闘中なのだが不眠絶飲絶食戦法を実行していたので問題なく出発出来た。
出発の前に犬にも「今日でもう会えないんだよ」と言って近付けたら猫の顔を一生懸命鼻でツンツンして何度かペロペロしてた。
どこに連れて行くんだ?と言う目をしてる。
思いの外道が空いており8:10に斎場に到着した。
ちょっと早いかな?と思ったがそんな事は無く、猫と最後のお別れをするのにはもう少し時間が欲しい位だった。
死後硬直で関節は固まっていたが、当然の事ながら毛並みはフサフサしていた。
猫は自分が頭をガシッてつかんで良い子良い子されるのが好きだったので、最後に名前を呼びながらやってあげた。
もちろん、反応は無い。
おまけに、冷たい。
涙が出た。
嗚咽もした。
顔を見たら、可愛い顔をしている。
また、涙が出る。
胸が苦しい。
最後を看取って、現にここに遺体がある。
にも関わらず、猫が死んだことが信じられない。
いや、信じたくない。
帰ったらいつものように出迎えてくれる事を期待している。
頬擦りをしようかとも思ったが、衛生上芳しく無いので我慢した。
自宅ですぐに顔を洗える状況ならばしたかも知れないが外なので理性で抑えた。
あっという間に30分と言う時間が過ぎ、受付の時間が来てしまった。
手続きが済み、猫を抱いて歩いて炉に移動との事。
車に戻り、猫に話し掛けながら抱っこして後ろを振り向いたら職員が立っていた。
迎えに来てくれたらしい。
職員の後をついて行くが涙が止まらない。
この斎場は体重で火葬代が変わってくるので体重計に猫を乗せる。
前々回、1㎏無いのでは?と書いたが、実際は2㎏あった。
まぁ、今としてはどうでも良いことなので確認に「はい」と返事をした。
骨は斎場にお願いした。
職員が「最後になりますがよろしいですか?」と言ってきたので猫を撫でながら「ありがとね、頑張るんだよ」と声を掛けた。
職員が「何歳だったのですか?」と質問してきたが、涙で答えられない。
「ごめんなさい、12歳です」と答えたら「早かったですね」と言われた。
おっさんが一人で号泣しているのが恥ずかしくて挨拶もそこそこに前室を出て車に戻った。
猫の名前を呼びながら泣いてしまった。
その後、猫の体重がわかった所で会計となる。
10㎏刻みで3段階の料金設定でもちろん一番軽い段階の料金だった。
市内と市外の住民で5倍もの設定差がある。
市内で良かったと思いながら会計を済ませた。
ちなみにであるが、ペットの遺体は可燃物として処理しても良いそうだ。
流石にあまりにも酷いが5倍の料金なら考えてしまうかも知れない。
でも、ごみ収集の職員も嫌でしょうね。
車に戻る間も泣きっぱなし。
車の中で泣きながら一つ一つを思い出していたら1時間も思い出に耽っていた。
無事に帰宅した。
しつこいようだが、猫が出迎えてくれると信じてる。
車から降り、ふと、庭を見ると野良猫が日向ぼっこしている。
「お前じゃないんだよ」と声を掛けながら家に入ると、残念。
猫はいなかった。
わかってはいた事なのですけどね。
犬も何かを察しているのでしょう。
出迎えは無しです。
顔は動かさず、目だけ自分を追っています。
猫を連れていった悪い人と思っているのかも。
犬も猫と12年過ごした。
そう言えば自分と犬を比較した場合、
年数にしたら12年と引き分け。
日数にしたら自分が入院した日数を引くとわずかながら犬の勝ち。
時間にしたら仕事の時間は一緒にいられないのでダブルスコアで犬の勝ち。
それが急に会えなくなるんですよね?
犬も可愛そうです。
ちょっと不謹慎な話です。
人と動物を比べるのはとても不謹慎なのは重々承知での話です。
猫と母のどっちが悲しいか?
母の葬式の時の姉の姿を思い返していたのです。
姉は一度も泣かなかった。
影でこっそり泣いていたのかは知らないです。
でも、悲しい感情って隠せます?
大多数の人が隠せるよと言うのであれば、自分にはポーカーで勝てないのだなと諦めます。
姉も以前、犬を飼っていました。どこに行くのにも連れて行く位溺愛していた。
犬が亡くなった時は泣いたらしい。
その姉が母の時は泣かなかった。
と言うことは姉に取っては犬の方が大切な存在だったと言うこと?
で、自分に当てはめて見たのです。
難しいですね。
自分に取ってはどちらも甲乙付けがたい存在です。
母には「自分を産んで育ててくれてありがとう」
猫には「癒しをありがとう」
母が自分を産んでくれた事により今がある訳ですからやっぱり母ですかね。
母と猫が向こうで仲良くしてくれる事を望みます。
ありがとね。
頑張ってね。
次のテーマとタイトルは未定・・・次回に続く